◇期日:9月28日(晴)   ◇参加者:松藤
◇コース:
北沢峠こもれび山荘→大平小屋→馬ノ背ヒュッテ→仙丈小屋→仙丈ケ岳山頂→大仙丈ケ岳→仙丈ケ岳→小仙丈ケ岳→北沢峠


朝の鋸岳 仙丈ケ岳山頂 仙丈ケ岳から見た大仙丈ケ岳 大仙丈ケ岳山頂 北岳と富士山のツーショット
甲斐駒ケ岳 馬ノ背の紅葉 小仙丈ケ岳山頂 御嶽山 五合目付近の紅葉


9月最後の週末、仙丈ケ岳に行って来ました。

9/27の午前中に家を出て、仙流荘まで車で移動。ここからは南アルプス林道バスで北沢峠を目指す。
12時半頃に仙流荘の駐車場に到着。8、9割埋まっている。
12:30のバスの後は14:20のバスなので、ゆっくり支度をして待っていたら、13:35に臨時便が出た。
「ラッキー!」と、それに乗って北沢峠を目指した。
この臨時便の運転手がサービス精神旺盛な方で、北沢山荘までの間中、見所などをガイドしてくれ、
また、眺めのよいポイントでは一旦バスを止めて写真を撮るチャンスも作ってれた。
14時半頃に北沢峠こもれび山荘(旧:長衛荘)に到着。チェックインを済ませて、荷物を置いてから周辺を少しだけ散策。
とりあえず、翌日のコースの下見を兼ねて、大平山荘まで往復。大平山荘脇の登山口を確かめて、こもれび山荘に戻る。
今日の移動はそこまで。後は、小屋で翌日の地図を確かめのんびり過ごす。

のんびりすごしていると、「御嶽山が噴火した」という声が聞こえてきた。
テレビのところに行って見ると、噴煙を上げる御嶽山が映っていた。
「かなりの犠牲者が出たんじゃないかな?」と思ったが、その時はテレビも見てる人たちも
あまり緊迫した感じではなく「とこか違う世界の話」みたいな雰囲気だった。

この小屋は、水があるのでお湯も水も自由に使える。また、寝床は一人分ずつカーテンで仕切られているので、
隣の人を気にしなくてゆっくり休める。食事もなかなか満足できるもので、なかなかに快適だった。

翌朝、4時~6時の間が朝食の時間で、朝食は前夜に渡されたお弁当を各々が食べて自由に出発というスタイル。
この時間帯には、セルフサービスの味噌汁が提供されている。たまねぎときのこの味噌汁でおいしかった。

さて、朝食を済ませて、4時40分頃小屋を出発。外はまだ暗い。
懐中電灯の明かりを頼りに、昨日下見した大平山荘までの道をたどる。
さすがにこっちを回る人は少ないと見える。とりあえず、前後には誰もいない。

大平山荘の横を通って、登山道に進む。やはり誰もいない。
木の根と石がゴロゴロしているがなだらかな道をしばらく進む。
暗い山道を一人で歩くのはなかなかに心細いものだ。
樹林帯を進んで、少し開けたところから振り返ると、鋸岳のギザギザが少し白み始めた空に見える。

周りが明るくなってきた頃、沢に到着。沢沿いに急な登りとなる。この辺りから紅葉が始まっていた。
沢には、残雪(小さな雪渓)が数箇所あった。やがて沢から離れて登るとひときわ紅葉がきれいなところに出た。
そのすぐ上に馬ノ背ヒュッテがあった。丁度この辺りが紅葉のピークだった。

馬ノ背ヒュッテを過ぎて、しばらく紅葉の中を進み、やがて森林限界を過ぎる辺りから、仙丈小屋、仙丈ケ岳が良く見える。
それらを眺めながら一歩ずつ近づいていく。仙丈小屋を過ぎて仙丈ケ岳への登りは眺めがよい。
甲斐駒ケ岳、鋸岳、遠くに、北アルプス、中央アルプス、恵那山、御嶽山(噴煙も見える)。
足下に視線を落とすと、上から眺める馬ノ背の紅葉が素晴らしい。

仙丈ケ岳の山頂はさほど広くない。この日は、天候に恵まれ、人が一杯であった。
写真を撮って、早々に立ち去ることとする。
ここから、南側に大仙丈ケ岳が目前に見える。大仙丈沢カールの縁に沿って道が続いている。
「行けそうだ。」と判断して、大仙丈ケ岳を目指した。簡単そうに見えたが、行くとなかなかにスリリングな道であった。
高所恐怖症の身にはちょっとつらい。ナイフリッジ状態で、最も狭いところでは2mにも満たないところを進む。
なんとか、大仙丈ケ岳山頂に到着し、写真を撮って一休み。気を取り直して、また、恐い道を仙丈ケ岳へと引き返す。

バスの時間の都合があるので、早々に小仙丈ケ岳へと向かう。
こちらは、小仙丈沢カールに沿った稜線の道でこれも眺めがよい。鳳凰三山、北岳、間ノ岳などが見渡せる。
大仙丈への道ほどではなかったが、途中に難所もあった。
小仙丈ケ岳付近からは、北岳と富士山が並んで見える。
小仙丈ケ岳山頂で北岳と富士山のツーショットを眺めながら、昼食をとった。
ここから、西に目を向けると、中央アルプスの向こう側に御嶽山が見える。大きな噴煙が上がっている。

後は、北沢峠を目指して、ひたすら下山。大仙丈ケ岳へ欲張ったため、時間が押してしまったが、
急げば13:00のバスに間に合いそうだったので、ほぼトップギア状態で下山。
ちょっと膝ガクガクになりそうな状態で12:30頃に北沢峠に到着。
この日も下山者が多いとのことで、またまた臨時バスが出て、13:00前に北沢峠を出発。
帰りは、仙流荘で桜の湯の割引券をもらい、温泉で一休みして帰途に着いた。

この日は天気が良く、360°の大パノラマを満喫できて大満足だった。
しかし、登る山の選択が違っていたら... と考えると、火山国に住むわれわれとしては、山への恐れも忘れてはいけないと感じた。
御嶽山で犠牲になられたかたがたのご冥福をお祈りします。